わたしが生理っていう面倒なものを迎えた頃、そろそろ色んな問題が限界にきた。
あいにく、閉じた世界は健在で、わたしは自分自身を形作るほとんどを図書館のたくさんの本から得ていて、学校が無駄のカタマリだってことはとっくの昔に気付いてた。

でも、そういう無駄に慣れるためにこそ学校っていうのはあって、なぜなら“世界”っていうのは無駄だらけなもので出来ているんだって思ってたりした。

そうでなければ、わたしは両親と一緒に暮らしているはずだろうし、隣の席のみかちゃんは1年もの間わたしをシカトすることもないだろうし、先生は算数に関係ない本を読んでいるわたしを注意するはずだ。

そういうことだ。

チャイムが鳴って、本を閉じた。
江戸川乱歩、パノラマ島はわたしもあの川の中洲にでもつくりたい。

顔をあげて、飯島先生と目が合ったけど、先生はわたしからパッと目を逸らした。
早く卒業したいなあ。
そしてさらに中学校を乗り越えたら、マンガやドラマや小説のような、波瀾万丈でドキドキした毎日があるかもしれない。

すくなくとも。

陰険なだけのオンナノコ友達は作らない。
新しい世界だ。