俺はまた普通の日常に戻った。


「真…」


「の…ぞむ……」



学校に行き、一番に真を呼び出した。

真の目は恐怖に染まっているが、こんなものを見ても俺の心はもう高揚しなかった。



謝ろうと決意していたけど、流石にバツが悪くて

ぽつりとしか言えなかった。


「悪かった…」


「は…?」


真は予想外の言葉に目を点にする。


「悪かったよ、真。

やられたからって、やり返していいわけないよな…


本当、俺馬鹿だったよ



ごめん…」


そう言うと、真の目からボロボロと涙が溢れた。


「俺のほうこそ悪かった…


俺、お前が一番の友達で、すっげー好きだったのに…

いつからか、裏切られるんじゃないかって思うようになって……


裏切られるくらいなら、自分から裏切ろうって…



ごめん…」


真はズルズルとしゃがみ込んだ。

俺は手を差し出しながら


「おあいこだな。


…昔みたいに戻ろう?



お互い、全部水にながしてさ……」


と笑った。



真も涙を拳で拭い、笑いながら、俺の手に手をのばして


「あぁ…!」


手を強く握った。





晴天の下、俺達は新たな一歩を踏み出した…