小さい体で全て自分のせいだと思い込んで背負い込んで。
この一年で彼女はどれだけ悲しみ続けたのか。
「でもね、歌を歌うと少し軽くなる。だから時々歌ってた」
彼女が歌っていた理由はそれだった。
「最初は家で鼻歌程度にだったけどシンは大勢の前で歌うと輝いてた。だから路上で歌うと輝いた気分になれるの聞いてくれる人も輝いて見えた」
それは心夜もよく言っていたことだった。
音が輝いて見えると。
実際心夜が輝いて見えると言った時の音は良い演奏の時のものだけだった。
輝きが弱い時は駄目な時で心夜の言う通りにやるとどんどん良くなっていく。