「お、岡部くん……?」
「惜しい! 岡田でしたっ」


うろ覚えの名前を口にしたあたしに、にかっと笑う岡田くん。茶色がかった短髪が太陽に照らされる。

さっき見た時よりもかっこ良いかも。そんなことを思っていると、岡田くんは持っていた袋の中から何か取り出した。


「ほい、半分こ!」
「え?」


疑問符を浮かべるあたしの手に乗せられたのは、さっきの焼きそばパン。荒い切り口を見ると手でちぎったらしい。まだほんのり温かくソースのいい匂いがする。