――幼なじみって何だろうね。

兄弟でも、家族でも、恋人でもない関係。
だけど、他の人よりは特別って感じがする。

お互いの存在が近すぎて、離れてみないと大切さが分からない。
それは少し恋人にも似ていて、お互いが必要としてるってこと。


でも、幼なじみが恋人と違うところは……。



「これから、俺も果歩も好きな奴とか出てくると思うけど、誰を好きになったって、俺にとっての幼なじみは果歩だけだからさ」


理玖はあたしとは目を合わせずに、空を見上げて言った。

頬がほんのり紅い。
これは、小さい時からの理玖の照れ隠し。
こんなことが分かるのだって、ずっと一緒にいたからだよね。


「あっ、もっといい男が良かったとか言うなよ? 傷つくから」
「バカ。……あたしにとっても、理玖だけだよっ」