あたしの勝手な気持ちだって分かっていた。

理玖と同じように、あたしも頑張ればよかったのに。
いや、正確に言うと頑張っても追いつけない自分がいた。
理玖のように夢中になれるものもなくて、ただ漠然としていた。


小さい頃は、幼なじみのあたしと理玖の世界があった。
でも、お互い違う世界が出来て、だんだん遠くなっていった。そのことに寂しさを感じていたのは、あたしだけだと思ってたよ。

だけど――。



「……俺も。果歩が遠く感じた」
「え?」
「どんどん綺麗になってくからさ、正直焦るよ」


お前のこといいって言うやつも結構いてさ、と言いながら理玖は頭を掻いた。

思いがけない言葉に、あたしは何も言えなかった。