「何人いるか分かんないよ?」 千夏が意地悪っぽく笑う。 好きな人たくさん……想像出来なくもない。それがなんだか悲しかった。 考えたら、あたしはハルのこと何も知らない。知ってるのは名前くらい。 あなたのこと知りたいって、今でもまだ思っちゃうのはおかしいのかな? 六時間目終了のチャイムが鳴り、千夏はバイトだからと先に帰っていった。 あたしは、もう少し屋上からの景色を眺めていたくて、一人佇んでいた。