さっきまでとは違う、真剣な目で見つめられる。にこにこ笑ってたかと思うと、急に真剣な表情になったり……。
くるくる表情が変わる男の子。あたし、不思議なくらいあなたにドキドキしてるよ。
「それって――」
「ハルー、まだ終わらないの?」
あたしが口を開くと同時に聞こえた声。
声の主は廊下からこちらを見つめていた。髪の長い綺麗な女の子とその周りには複数の男女。
「うわ、やべえ! 今日カラオケ行くんだった」
目の前で急に焦りだす岡田くん。
ハルって、岡田くんのことだったんだ。
岡田ハル? 春樹とか? それとも晴彦?
なんて考えているうちに岡田くんはプリントを終わらせたみたいで急いで友達の所へ行ってしまった。
「何よ、『じゃあな』くらい言ってくれたらいいのに」