「今日の補習は、このプリント一枚終わらせること。終わったやつから前に提出して帰っていいぞ」

先生がプリントを配りながら言った。
あたしはプリントを受け取ると、急いで鉛筆を走らせた。

別に数学が苦手なわけじゃない。今日は調子が悪かっただけ。

なんて言い訳だけど。

あたしは脳をフル回転させて、問題を解いていった。だって早く帰りたいんだもん。


「あーあ、数学よりサッカーしてえな」


隣の席に座っていた岡田くんがぽつりと呟いた。
サッカーという単語にあたしの集中力が切れる。

机にかじりつくようにしていた姿勢を起こし、彼を見た。