「よ! 昨日振り」
「岡田くん」


そこには、相変わらず人懐っこい笑顔の岡田くんがいた。昨日知り合ったばかりなのに、なんだろう? 岡田くんの笑顔ってすごく安心する。


「何? 果歩ちゃんも補習?」
「“も”ってことは……」
「そ。俺、勉強苦手なんだよ」
「てか、何であたしの名前を?」
「さあ? ファンだから?」
「へ?」


さらりと言われた言葉に胸が高鳴る。
普通に考えて冗談に決まってるのに、本気に聞こえた。岡田くんの目が、あまりにもまっすぐあたしを見つめるから。


あたし、どうしちゃったんだろ?
理玖といた時にはなかったよ。
こんな胸が高鳴ることも、体が熱くなるような気持ちも――。