岡田くんとあんなに自然に話せたのはどうしてだろう。
理玖に似てたからかな? 顔とかじゃなくて雰囲気が。……何だか懐かしかった。
前は普通に話せてたのにね。幼なじみってこんなもんなのかな。
近かった距離がどんどん遠くなっていく。
──まるですれ違った電車のように。
*
「え! 嘘……今何時?」
外は気持ちが良いくらいの晴天。この時期としては珍しく雲一つない空。
少し開いた窓からは爽やかな風が吹き抜けていた。
だけど、あたしの頭の中は土砂降りの雨。
九時から一時間目が始まるというのに、現在時刻八時半。
いつも携帯電話のアラームで起きているのだが、昨日はマナーモードのままで寝てしまったらしい。