岡田くんとあんなに自然に話せたのはどうしてだろう。
理玖に似てたからかな? 顔とかじゃなくて雰囲気が。……何だか懐かしかった。


前は普通に話せてたのにね。幼なじみってこんなもんなのかな。
近かった距離がどんどん遠くなっていく。


──まるですれ違った電車のように。





「え! 嘘……今何時?」


外は気持ちが良いくらいの晴天。この時期としては珍しく雲一つない空。
少し開いた窓からは爽やかな風が吹き抜けていた。

だけど、あたしの頭の中は土砂降りの雨。
九時から一時間目が始まるというのに、現在時刻八時半。

いつも携帯電話のアラームで起きているのだが、昨日はマナーモードのままで寝てしまったらしい。