『また…考える。』



小さく弱く、

震える声で、鈴奈は精一杯答えた。


心が寒い。

なんだか、

大切な物失ったみたいだよ……。



『そっかぁ、考えといてねー。それじゃー。』

『……うん。』



相変らず香は能天気。

鈴奈は脱力。


また、無理に好きな人つくらなくちゃいけないの???


こんなのって違うじゃん。



そう思いながら、すごく悔しかった。


自分が可愛くて、香と美帆奈に逆らえないでいる事。

強くいられない、とてつもなく弱い人間だという事。


変えたいと思った。