「ねぇ待って、ほんとうに雅弥に告るのっ??」

「そうだよ☆いいじゃん雅弥、カッコイイじゃん♪」

「でも…。」



―――荻谷雅弥(おぎや まさや)


奏真とかのグループじゃないけど、その次ぐらいのグループでトップな男。

背は高めで、顔はそこそこ、祥ほどじゃなくとも運動はできる。

ハッキリ言って祥と奏真よりはイイかな…総合的に。



「だって私そんなに好きじゃ…。」

「だーかーらー、いいじゃん誰でも。遊びだし。」

「…………。」

「ねっ??」

「うん――。」



遊び、遊び、って言い聞かせた。

恋に関しては今までずっと一途に本気だったから、こういうのは抵抗がある。

思い込むにしても無理はちょっとあった。


やっぱり変なのは一目瞭然。

でもハブられる恐怖に勝てなくて従った。


あーちゃんが嫌われた。

香と組んだ事で美帆奈の地位があがった。


春休みと中学生になった2日だけで、鈴奈の周りは激変した。


中学生の小さな社会でだって、大人に負けないくらいいろいろある。

しかもこんな時代、イジメなんか日常茶飯事。

やる人、やられる人、見てる人、

その全てをだれだって1度は経験する。


鈴奈達のように、その時絶対的な権力を持っていたとしても、それは一時的。

結局すぐに崩壊してしまうのだ。