沙羅はびっくりしたまま固まってた。
「俺は確かに断ったよな。利央、礼央。
オーナーはえらい楽しそうだけど。」
オーナーは理恵さんのこと。
ちなみに晃さんは料理長って呼ばれてる。
「ははっ。いや、なんか理恵さん勘違いしちゃって・・・」
「マジで俺たちは余計な事してませんから。」
うわ、リオくん達嘘ばっかり・・・
「とりあえず、仕事中だから、仕事に戻るよ。
残念ながら、このテーブル専属になったから、続き持ってくる。」
専属って・・・
理恵さん職権乱用もいいとこだ。
このお店にそんなシステムないじゃん。
「今さらだから、沙羅ちゃん、でいいよね。
沙羅ちゃんも断ってたって聞いてるけど、オーナーの気分が収まるまでは悪いけどこの状況に付き合ってね。」
「・・・はい・・・。」
いまだに気の抜けたような沙羅を残して緒方さんは厨房と私たちのテーブルを行ったり来たりして、すべてを並べ終えてまた厨房に入って行った。