何も言えなくなった沙羅を見て頷いて理恵さんは厨房へと戻って行った。
「相変わらず理恵さんすげぇな・・・。」
「・・・同感。」
「同感じゃないわよ。どうしてくれんのよ。
理恵さん勘違いしたまま張り切っちゃったじゃん。」
「ごめんね、沙羅。
ああなったら私も止められない。」
「・・・知ってる。今までは理恵さんと同じ立場で楽しんでたけど、逆の立場はつらいわ・・・。」
「ほんとごめん。ちゃんと説明するから。」
「いや、愛菜の説明じゃ理恵さん加速しそうだな。」
「ああ、そんな気する。ってか、もういいじゃん。
なるようになるって。」
「あんた達、覚えてなさいよ。
元はと言えば責任はあんた達にあるんだからね。
だいたいね」
「オーナーの被害者は俺もなんだけどね。
お待たせ致しました。Aコースのサラダでございます。」
ビックリして振り向いた先には苦笑いの緒方さんが立っていた。