「え?」



「確かに緒方君目当てのお客様は多いのよ。」




にこやかな笑顔の理恵さんと、ひきつった顔の沙羅と、笑いをこらえる双子と、きっと困り顔の私。



こういうことには敏感な理恵さんも筋はあってるけど、ちょっとズレてる。


しかも沙羅達のことはお気に入りだし、緒方さんにも絶大な信頼を置いてるし、なんとなくこれからの流れって・・・・




「なんだか楽しそう。任しといて。」



「いや、理恵さん、なんか勘違いしてるでしょ。

あたしそんなつもりないんだから。」




慌てる沙羅にはお構いなしに理恵さんは話を続ける。




「あら、そんなつもりなくてもそういうことになったりするのよ。

始まりは誰にもわからないんだから。」





・・・理恵さん、相変わらず強引。

だからパパはこういう時の理恵さんに勝てないのよね。





「いやいやいやいや。理恵さん、ホントに違うから!」



「そんなに慌てるなんて少しは意識してるのね。

だってホントに無関心なら私が言うことにそこまで反応しないもの。」



と首をかしげてこれでもかってくらいの笑顔・・・と言うか、言うとおりでしょと言わんばかりの笑顔の圧力。