「沙羅、俺たちもあいつのことは今でも許せないけど、隆聖さんは男友達の信頼も厚いし、何より人を見た目で判断するような薄っぺらい人じゃないんだ。
あの人なら沙羅だって信じれると思う。それは俺たちが保証する。
俺たちは沙羅に幸せになって欲しいと思ってるんだ。」
「ま、隆聖さんもいくら俺たちの頼みでも沙羅の了承もなしに紹介とかそういうのは気が進まないって言ってんだけどな。」
「だったら」
「でも、隆聖さんは沙羅の事知ってるんだぜ。
沙羅がよく行く花屋あるだろ?」
「花屋って、あの大通りの?」
「そ。あそこって隆聖さんの母親の実家なんだ。
だからたまに店を手伝ってんだ。会ったことあるだろ?」
「あ~、確かに。若いくせに花に詳しい店員がいた。」
「それが隆聖さんだよ。」
緒方さんのことを意外に知ってた沙羅。
しかも覚えてたっていうか、むしろおばあちゃんの具合が悪い時に店に出てた好印象な店員さんだったみたい。
確かに理恵さんの店は基本ランチタイムだけでもう一つ掛け持ちしてるって理恵さんが言ってたっけ。
「ねえ、沙羅!明日一緒にランチに行こうよ。興味本位じゃなくてホントに緒方さんはいい人だし、別に彼氏じゃなくても友達だっていいじゃない?」
私のその一言であっさり明日みんなでランチに行くことになった。