目の前には真面目な顔を意識してるんだろうけど、どうもにやけ顔の愛菜。


翔太さんから二度目の告白を受けて、めでたくお付き合いになったとか。


見晴らしのいいあの丘で思いが通じ合って普通そこでキスでしょ。


なのにおでこって!


翔太さんは頭が硬いって確かに大地先生からの情報にもあったし、今までの愛菜の話からもそれは伺えたけど、今時おでことは・・・


しかも愛菜本人は大満足なようだし。


翔太さん、純情カップルになるつもりなのね・・・






物足りない・・・


物足りない!


物足りな~~~い!!!






「沙羅、お前の心ん中はすっげぇわかるけどさ、顔にまで出すなよ。」



「利央、そうは言ってもこれが何も突っ込まずにいれる?」



「まぁ、愛菜にはちょうど良くても翔太さん的にはかなり抑えたと思うぜ。」



「そうだよね、じゃなきゃ健全な男とは言えないわ。」



「でも相手はこの愛菜だろ。いきなりは・・・無理だろ。」



「学校では愛菜に近づきたい男共を片っ端からあたしが排除してるから、愛菜は男のそういう部分には疎いのよね。」


「それは単に愛菜を守るためじゃなくてお前が許せないだけだろ。

沙羅もとことん過保護だよな。」


「そういう意味ではあんたたちだって同じじゃない。愛菜目当てのあんたたちの学校の男だってあんたたちが排除してるじゃん。」


「確かにそうだけど・・・だって愛菜ってなんか妹みたいでさぁ。」