二人で理恵さんのお店に行くことなんて今までだってあったのに、私たちを見た理恵さんはあっさり言った。
「あら、兄さんにはなんて報告するの?
協力してあげようか?」
それにはさすがの翔ちゃんもびっくりしたらしくてすぐに返事が出来なかったみたい。
「いつもながら理恵さんはすごいな。
洋司さんがかなわないはずだ。」
「ホント。なんでわかったんだろね。
もしかしてそんなに顔緩んでるのかな。」
「ふっ。愛菜が緩んでるなら俺も緩んでるだろ。」
「そんなことないよ。翔ちゃんはいつも通りかっこいいから。」
「バ・バカ!こんなとこで何言ってんだ。」
「え?何って・・・・あ!ご・ごめん。」
真っ赤になる翔ちゃんの顔を見たら自分が何を言ったかに気付いて、今は私の方がきっと真っ赤になってるはず。
だって、翔ちゃんはかっこいいんだもん。
声に出して続けられなかった言葉を心の中で呟く。
「まるでバカップルだな。愛菜がそんな風に俺の事思ってくれてるのを知れて良かったけど。」
テーブルに肘をつけたままニヤッと笑う。
「もう・・・。翔ちゃんのいじわる。」