私の首にかけられたのは、美和さんの帰国パーティーに行く前に買ったネックレス。
「これ、私がもらっていいの?」
「いいもなにも、愛菜に買ったんだよ。
それなら学校でもつけてられるだろ。って、愛菜の為ってより俺の為だな。
変な虫がつかないように愛菜は俺のってしるしみたいな?」
「変な虫って?そんなのついたことないと思うけど、でもありがと。
すっごく嬉しい!」
「全く・・・虫の意味わかってねぇし。」
翔ちゃんの小さな呟きは喜んでる私には聞こえてなかったけど、翔ちゃんの笑顔はしっかり見えた。
「さ、帰ろうか。あんまり遅くなっちゃ、認めてもらう前に俺は無視されかねない。」
「それって、パパのこと?大丈夫だよ、今日は会議で遅くなるから。」
「遅くなるから愛菜も遅くなっていいってわけじゃねぇの。」
「そうだけど・・・、あ!ご飯どうする?
今日ね、理恵さんとこで食べる予定だったの。」
「そうか。じゃ、理恵さんとこに行こう。
ちゃんと理恵さん達の許可も取らなきゃな。」
そう言って翔ちゃんは私の手を取る。
て、手繋いでる!!
あたふたする私を笑いながら翔ちゃんはさも当たり前のように離さなかった。
こんな風に翔ちゃんと両思いになって、手を繋いで歩く日が来るなんて・・・。
フワフワした気持ちのまま理恵さんの店に向かった。