「ば、ばか?!」



「全く自分の置かれた状況わかってないし、マジで手かかる。」



「どういう意味?ホントに変な人なんて居なかったんだもん。なのにバカってひどくない?」



「はぁ~、わかったよ。わかったからもうここには一人で来んなよ。」





大げさにおでこを押さえながらため息をつく翔ちゃんに、あんまり納得できないけど、そんなことより今は大事な話しなきゃいけないことを思い出して素直に頷いた。






「ここからの景色も久しぶりだな。」





夏の長い日中もそろそろ終わりを迎えるかのように、間もなく夕日が傾きかけてる空を見ながら翔ちゃんが言った。




「そうだね。昔はよくここに連れて来てもらったよね。」





翔ちゃんと同じように空と街を見ながら返事をする。





「あの頃はさ、愛菜は俺にとって妹みたいな大事なお隣の女の子だったんだ。」




翔ちゃんの言葉でまた私の鼓動は跳ねた。


うまく返事が出来ずに変わらず前を見てる翔ちゃんの横顔を見る。