「だあ~!もう!離れろって。」
そう言ってまたもや翔ちゃんに引きはがされた私は翔ちゃんの腕の中。
いやいやいやいや!
こっちの方が意味わかんない。
ポカン顔の次は一気に顔が火照るのがわかった。
だから一体なんなのよ!
「ちょ、ちょっと、翔ちゃん。」
「あ?」
そう言って私を覗き込む翔ちゃんの眉間には軽く皺。
え?なんで怒ってるの?
ダメ。全然頭がついてかない。
ほんとになんなの?
「翔太ったら意外に独占欲強いのねぇ。」
美和さんがからかうように言ってる隣で大地くんは何度も頷き、翔ちゃんは‘うるせ~’と言いながらそっぽを向いて周りの人たちはそんな私たちの様子を見ながら笑ってる。
店に入ってからまだ10分かそこらなんだろうけど、展開が早くてついてけない・・・
だってほんの少し前までこんなことになるなんて思ってもみなかったんだもん。