なんで美和さんが私を呼ぶの?


こないだだってそんなに話したわけじゃないのに・・・


それに翔ちゃんだってなんで了承したの?


プレゼントだって・・・


訳わかんないよ。

それなのに翔ちゃんにはなんにも聞けない。


ううん、聞けないんじゃなくて聞きたくないのかも。




いつもなら翔ちゃんの隣を歩くけど、パーティーに行くと聞かされて気持ちが落ちてしまって数歩後ろを歩く。


気持ちと同じように私の足取りは重たい。


そんな私の様子を知ってか知らずか翔ちゃんの歩く速度もいつもほど早くはないけど、それがまた私の気持ちを重たくする。





「疲れたか?あと少しだから。今日は飲むはずだから車で来れなくてごめんな。」



「ううん・・・」





見当はずれもいいとこの翔ちゃんの背中に向かって、軽くため息が出た。




「あ、あの店なんだ。知らないやつばっかだけどごめんな。でも大地も来るから。」




そういっていつもの柔らかい笑顔を向けてくれる翔ちゃんになにも言えずにただ頷いた。


この扉の向こうに美和さんがいるんだ・・・


どうしようもなく胸が苦しくなった。