「ありがとうございました。またのお越しをお待ちしております。」
丁寧に下げられた頭に軽く会釈をして店を出た。
「何回会釈してんだよ。」
「だって、あんなお店慣れてないんだもん。」
「社長令嬢が何言ってんだか。」
「あのね〜、いくらパパが甘くてもあんなブランド店滅多に来ないよ。
はあ〜なんか緊張して肩凝った。」
「はいはい、お疲れさん。ありがとな。」
「ううん。このために今日出かけたんだね。やっとスッキリした。」
「あぁ、これは頼まれもんで、用事は今からだよ。」
「え?終わりじゃないの?」
「愛菜はこないだ会っただろ?美和と。今日これから美和の帰国パーティーなんだ。」
「…え…?み、みわさ…ん?」
「そっ。美和がお前連れて来いってうるさくてさ。」
な、なんで…?
なんで美和さんが私を呼ぶの?
たった一回会っただけなのに。
それに…
もしかしてそのネックレス…
美和さんへのプレゼント…?
そうとは知らずに翔ちゃんに頼られたことが嬉しくて…
元カノへのプレゼントを浮かれて選んだの…?
…さい…あく…
翔ちゃんのバカ…