目の前に映る女性は、艶のある綺麗な黒髪、目鼻立ちのくっきりした、一言で言えば美人。
だけど、仕事が出来るんだろなって印象がする。
ブランドのスーツをお洒落に着こなして高いヒール。
同じようにあの人の目に自分が映ってると思うと、すごく恥ずかしい。
だって私は自分が子どもだって、幼いって実感させられたんだもん。
私とは正反対な大人の女性。
だからこの人の訪ね人が翔ちゃんなら、元カノじゃなくたって自信喪失間違いなし・・・
「あのぉ・・・、冴島さん留守ですよ・・・?」
「あら、そうなんだ。おじ様も?」
あ、おじさんとも顔見知りなんだ。
「はい、午後から休診なんでお出かけされてるかと・・・」
「そう・・・、残念。私、翔太さんの大学の同期なんですけど、ちょっと最近連絡取ってなくて。いつ頃帰ってくるかご存知?」
・・・やっぱり翔ちゃんの知り合いか・・・