まだ落ち着かない私の横で話す三人。
紹介してもらった二人は翔ちゃんの大学時代のお友達みたい。
「で、美和の帰国祝いも兼ねて集まろうってことらしいぞ。」
「翔太は来れそう?」
「あぁ…日にちが決まったら教えてくれ。なんとかなると思うし。」
ん?なんか翔ちゃん変・・・?
一瞬目が合った気がしたけど、気のせいかな・・・
「じゃ、大地にも言わなきゃなんねぇし日にちが決まり次第大地に電話かけとくよ。ま、翔太が来るなら美和も喜ぶし。」
美和さんが喜ぶって・・・
なんだかいやな予感を感じたと同時に花火が打ち上がった。
「きれー・・・」
そのまま花火に見惚れてる間にいつの間にか翔ちゃんは友達と別れて私の横に立ってた。
二人で見る花火はこの場所に二人っきりかのように周りの景色も雑音も消して暗い空に鮮やかな色が舞う。
このまま時間が止まっちゃえばいいのに・・・
そんなことを思いながら眺めてるとふっと右手が温かくなる。
「えっ・・・」
びっくりして隣を見ると、翔ちゃんが手を繋いでた。
でも翔ちゃんはまっすぐ前を向いて花火を見てる。
とっさに私も花火に視線を移すもののもうそれどころじゃなくてその後の花火は目に入らなかった。