河原には数人の人がいた。
「貸切じゃないみたいだね。」
「穴場だけど、意外に知られてるみたいだな。」
「あと15分くらいで始まるよ。」
日の暮れた河原って初めて来たけど、対岸の明かりが川に映って静かでなんかきれい。
もし翔ちゃんが彼氏だったら肩に寄り添いたいとこだけど、無理だ~。
中学生の頃までは「翔ちゃん好き!」って抱きついたりしてたけど、さすがに今は出来ないや。
今したら翔ちゃんどんな顔するんだろ?
「なににやけてんの?」
「え?ちょっとね、思い出しちゃって。」
「なにを?」
「ん~、中学の頃はよく翔ちゃんに抱きついてたなぁって。」
「あぁ、そだな。」
「今だったら翔ちゃんどんな顔するんだろって思ったら、なんだかおかしくって。」
「・・・してみれば?」
「え?」