「今の緒方くんか?」
「翔ちゃん!うん、たまたま会ったの。緒方さんも待ち合わせだったみたい。」
「・・・フ〜ン。偶然なんだ。」
フ〜ンって・・・
なんだか翔ちゃんらしくない。
緒方さんの去った方を見たままの翔ちゃんはなんだか考え事してるみたいだった。
「待たせて悪かったな。結構待った?」
くるりと振り返った翔ちゃんはもういつもの笑顔だった。
「ううん。そんなに待ってないよ。楽しみだったから待つのも苦じゃなかったよ。」
「そっか。そう言ってくれるなんて愛菜も成長したもんだ。」
「何それ?」
「もうちょい前の愛菜なら、確実に怒ってたろ?」
なんて笑う翔ちゃん。
「ん〜、あり得たかも・・・。でも私もちょっとは大人になったでしょ。」
「だな。じゃ行くか。」
「うん♪」