あの日。
由梨亜と語り明かしたあの夜。
心に決めた。
そう。
グランプリ取れたら、あの人に告白しようと。
キィッと音がして、重いドアが開いた。
外気の冷たさに身をすくめた後、繋いだ手を通して伝わるあの人の体温を感じて急激に恥ずかしくなり、パッと手を離す。
『あのね、ここに連れてきたのは大事な話があって……//』
俯いたまま話し始める。
屋上。
二人きり。
自分から望んでこういう状況を作り出したのだけれど、やっぱり恥ずかしいものは恥ずかしい。
『それでね、えと、話っていうのは……//』
緊張から、うまく呂律が回らない。
ええ~いっ!!
私って何でこういう大事な時に限って、いつもうまく言えないの!?
半ば自棄になりながら、顔を上げて……。
『私もあなたが好……へっ?』
固まった。
あれっ?
どうして……。