『大丈夫?』


お兄ちゃんの目をまっすぐ見つめ……?


「大丈夫だ!!

お兄ちゃんはこれくらいで死んだりしない!!」


早っ!!

立ち直り早っ!!


っていうか、だれもそこまで心配してないんだけど。

まあいいか、元気になったんなら。



「奏」


改まった口調でお母さんに呼ばれる。


「奏、いえ、光。

よく頑張ったわね」


にっこり微笑むお母さん。


光って、お母さんに呼ばれるの初めてだ。

一人の芸能人として認めてもらえたみたいで、なんだか嬉しい。


「さすが俺と美香の子だ」


そう言うお父さんはやっぱりお母さんラブで。

クスリと笑みが零れた。


「まだまだ……と言いたいところだけど、今日はまあ合格点ね」


相変わらず手厳しい、さくらさん。

でもこれって、褒めてくれてるんだよね?

勘違いなんかじゃないよね?


『お母さん、お父さん、さくらさん、ついでにお兄ちゃんもありがとう』


今度は家族全員で同じ作品に出てみたいな。