「あらあら、熱いわね~」


「からかうなよ、美香」


えっ?


由依と名前呼び無限ループを繰り返していると、この場でするはずのない声が聞こえてきた。


嫌々ながらも振り返って……。


「あら、ヨウくんに美鈴じゃないの」


見ないうちに社長さんが情報を音声化してくれた。


何で!?

何でお父さんとお母さんがここにいるの!?

それは色々とマズいから!!


「私たちだけじゃないわ。

おかっ……じゃなくて、さくらさんと雅もいるわよ」


お母さん、セーフ!!


……じゃなかった。



『どうしてみんな来ちゃうの!?』


「「「来たかったから」」」


三人、口を揃えて答えてくれた。



ひどい。

何なの、その自己中心的理論は!?

人の気も知らないで!!


急激に湧き上がってきた両親とさくらさんに対する怒りは、タイミング悪くしまりのない表情で近寄って来たお兄ちゃんに。


「よし、今夜は久しぶりにお兄ちゃんと二人きりで仲良くクリスマスイブを満喫……」


『しない!!』


思い切り拒絶した。