最近出来たばかりの可愛らしい外観のアパートの2階の一番奥の部屋。

入るのを拒否したいのに、此処に入らなければ実際私に行くところなんてないんだ。




「………お邪魔します…。」


「邪魔するなら入るなよ。」


「言葉のあやっての知らないの?アンタは!」




いちいちムカつくこいつ…山下 透に憤慨しながらも部屋に入り込む。

大体、"お邪魔します"は他人の家に上がる時の挨拶のようなものでしょ?




「これ眞子の趣味?」


「あ?それ以外何があんだよ。

お前、相変わらず馬鹿だな。」


「……アンタも…相変わらずムカつく良い性格してるわ。」




昔…五年前を不覚にも思い出してギュッと眉をしかめてしまった。


思い出したくもない。

それでも消せない過去に一番深く関わる透に小さなため息を漏らした。