『好きな人の好きなものは極力好きでいたいんだよ。例えばそれが、好きな人の好きな人であったとしても』
私に相談を持ち掛けてきた崎山市太郎は中学の学級委員会からの付き合いで、男友達の中でも一番仲が良かった。
……加藤風介は幼なじみだから、男友達ではないわ。
手の掛かる弟って感じね。
「……馬鹿みたいだわ」
ただのきれい事なのよ。
崎山くんの言っていることも。
あみ空のわがままも。
私の願いも。
明日木明日早の考えも。
「あなたはあみ空にとって悪影響だわ。今すぐ」
出てってちょうだい。
とは言葉にできなかった。あみ空の友好関係は私のものじゃない。あみ空が決めること。私じゃ、ない。