「あみ空を、好きになりたい……ですって?」
「そうだよ!だって好きな人の好きな人を否定したくなんかないもん。崎山くんが空ぴょんしか見ていなくたってさ、私はそれでも崎山くんが好きなんだから、仕方ないじゃん?」
「……っ」
「まぁ、崎山くんの受け売りだけど」



目の前で赤く染め上げた頬を緩めている明日木明日早が、あの日の赤く目を泣き腫らした藤野あみ空とかぶって見えて、私の胸を占め尽くす熱情が、吹っ切れてしまえと視神経を擦り潰してきた。



『だって、好きなんだもん』



ああ、泣かないでお願い。