「おお!明日早ちゃん凄い!」
純粋に、自分が訳さなくてよくなったことを明日木さんに感謝しているようで、パチパチと頼りない拍手があみ空から紡がれる。
「私この人の歌好きなんだー」
「明日早ちゃん洋楽聞くんだ?」
「うん、日本人にはない表現が独特で好き!」
にこにこと笑う明日木明日早に、背筋が凍る。
嫌な、予感。
「もう……!あみちゃんの問題をアスちゃんが答えちゃだめじゃない」
呆れたように笑う季都々に眼だけを動かして訴えるが、彼女の視界に私は居ない。
だめ。
だめよ止めなきゃ。
その女に、これ以上喋らせちゃ、だめ。