「おかえりつづきん、ことりっち!」
「っぶ!」
「こ、ことりちゃん大丈夫!?」
へらへらと笑ってとんでもない名前で呼んできた明日木明日早を凝視する。
思わず噴き出してしまったオレンジジュースを頭からかけてやろうかと、わなわなと震える私の唇が、怒りを紡ぎたいのか嫌悪感をさらしたいのかよくわからない。
左側に座っていたあみ空が隠れて笑っていたので、ホームパイをべしりと無言で投げつけてやった。
「あー、あの……、明日木さん?」
むせる私の背中をさすってくれていた季都々を手で制して、視線を外すことなく、目の前の明日木明日早へぎこちない笑みを浮かべれば、彼女は「明日早でいいよぉことりっち!」と、原因をあまりよく理解していないぼけ顔であみ空からオレンジジュースの入ったコップを受け取っていた。