「おはよう。朝練お疲れ様だったね、崎山」




そんな、


なんてこともないように笑う藤野に、


血液を駆け上がるような、


心臓を、

握りつぶすような、


嬉しいのか悲しいのかよくわからない感覚が、


鼻の奥をツンと疼めかせる。





少し遅れて届いた両脇の二人の挨拶を無視して、俺は頬を緩めた。




君に挨拶をしてもらえるということが、こんなにも嬉しくて嬉しくて死んでしまえそうなくらい苦しいなんて、知りもしなかった。