「っ、……お」


藤野の机にかげろうのように群がる元不良の幼なじみと文房具クラッシャーに喉が詰まる。


わずかな戸惑いとそれから不安。


もしも、もしもだ。



俺が挨拶をしたとして、もしも藤野が、それに応えてくれなかったとしたら、俺、は……どうすればいいのだろう。


なんと女々しいんだと自嘲をこぼす気にもなれず、俺は足を進める。


たどり着くまでにかけられたクラスメートからの挨拶を手短にすませ、俺は藤野の前に立った。


視線をよこす脇の二人を無視して、ごくりと生唾を呑み込む。