「ふーん……、ちっちぇな、お前」


カチンと、やっぱり何も考えていない竹谷先輩に、脳が唸る。


あんたに何がわかるというのだ。




あの時の失意にも似た藤野の目を、表情を、見ていないからそんな事が言えるんだ。





「男なら、もっとでっかく生きろよな。お前の抱えてる悩みなんか、あの空に比べりゃ比較対象にもなんねぇくらいちっぽけなもんなんだぜ?なぁ、さーきやまっ!」
「ぶっ!」


グーで殴られた。

ちくしょう俺はバイキンマンじゃないんだぞ。



どさりと、重力に従って俺の体が地面になだれる。



目と鼻の先に広がる青空に、己の矮小さを思い知らされた気がした。