店内は閑散としていて、客どころか従業員さえいなかった。


竹谷本店。


丸米商店街を少し行ったところ、池田精肉店と川西クリニックの間にある文房具専門店。


ペン子さんとシャー子ちゃん、分度器の分子さんはここで買ったものだ。


「で、何が必要なんだ?」と崎山。


「えと、消しゴムと、定規と、あとマーカー」
「あぁ、マーカーも壊されたんだったな」




今にも泣き出しそうな崎山の顔を見て、私はあと下敷きも。と付け足した。


「そうだな」と笑う崎山に安心して、棚に並ぶマーカーを適当に手にとる。