「…寝違えた。首痛い」
首を抑えながらぶつぶつ言う兄貴に続いて、飛行機を降りる。
降り立った空港の雰囲気からして完全に日本とは違う。
案内やら看板やら広告やら…何もかもが"英語"。
「ちょ…」
スチュワーデスさんに飲み物さえ頼めない英語力の俺たちは、決して来てはいけないような場所に来てしまった。
動揺を隠せない。
…どうしたらいいんだ?これ。
「ちょ、兄貴!どうすればいいわけ。これから」
「えー?なんとかなるだろ」
焦る俺とは正反対で、兄貴は呑気な顔で辺りを見回してる。
「アメリカだよ。まじ感動だ。な、大地」
「…」