それもあるだろな。


でも…
それでも、本当に好きだったら走れたはずだ。

じゃあ、なんで?







「…グッモニン(おはよう)、ナイスボーイ」


同じように向かい側から走ってきたおじさんが、挨拶をしてくれた。

色白の、いかにもアメリカ人らしい雰囲気のおじさん。


だけどお互い立ち止まることはなく、俺も笑って挨拶をする。


「グッモニン」



そしてすれ違って去っていく。

呼吸のリズムが安定してきた。



もうすぐ太陽が昇る。

夜が明けようとしている。





――俺が日向先輩を探すことが出来るのは、
今日と明日しかない。