店員が運んできたアイスティーと、アイスコーヒー。


少しミルクを落としてコーヒーをかき混ぜながらぽつりと呟いていた。

無意識のうちに出た言葉だった。





コーヒーの黒に、
ミルクの白い線がすっと走る。



「…うん」



そして混ざり合うように、じわじわと広がる。


顔を上げると、柚先輩もアイスティーに口をつけていた。
その長いまつげが少し揺れた。




「楽しかったね」




二年前の、あのフィールドで。

俺は世界中のどの場所にある「青春」を集めても足りないぐらい、
「青春」した。



それだけは胸を張って言える。





まだ一年だった俺に、
先輩達の背中はおっきく見えた。



…そして本当に、
大きかった。