そう笑いながら、その名前を何度も心で噛み締めた。


"日向"


――日向の話を誰かとするのはホッとする。

本当に彼はあたしの目の前で走っていたのだ、と思えるから。




目を閉じては想像する。



もしかしたらアマゾンのジャングルにいるかもしれない。

ヨーロッパにいるかもしれない。

砂漠にいるかもしれない。

あるいはあたしの想像を遥かに越えた、へんぴな場所にいるのかもしれない。




――それでも、ちゃんと想像できる。



どこにいても何をしてても
日向は日向だろうな。と。