それはつまり――同じように、灰になれと。たぶん、本当に吸血鬼が存在していて、そういう関係を育む人間がいたら、これ以上ないほど満ち足りた心中になるだろう。
「卑怯だね」と、彼女の真似をして、シガチョコを指に挟む。
「人間が絶対後追いをするって自信があるから、そんなことするんだ」
「だって、愛してるもん」
「歪んでるなあ」
「好きなくせに」
「おっしゃるとおりで」
その時、非常階段のドアが開いた。僕らと同じように、この穴場にふらりとやって来た生徒かと思えば違う。先生だ。
「おまえら、」と、怒りを抑えに抑え込んでいるものの、ドスの利いた声。「なに、やっとるんだ」
「え?」
「あはは!」