と言った瞬間、担任は目を見開きすごい形相で、

『たんこぶができるぐらい叩くには、これだけの力で叩かれたとか!』

と言って、いつの間にか手に持ち直していたプラスチックの棒を床に叩きつけた。

プラスチックの破片が飛び散った。

そこにいた私たち四人はその音にびっくりして肩を強ばらせた。

今思うとあれは、ラチのあかない話し合いを終わらせるための`脅し´に違いない。

私の目にそれまでずっと我慢していた涙があふれた。とめどなく溢れて止めきれなかった。
それからは誰も何も言わないまま一時間が過ぎ、結局ただの喧嘩にされた。

そんな事があっても数日後にはまたいじめは始まった。

ある日の放課後、私はなおみに私が叩かれた時の話し合いで、なぜいじめられてないって言ったのか聞いた。

『なんでっていじめられたくなかったし、やぎらぁは知らんやろうけど私くぅちゃんに殴られたとよ。それが怖くていわんかったと。』

私はその時なおみが殴られていたことを初めて知った。

それを聞いて私はくぅちゃんのすごさを思い知った…。

それからの私は何かと理由をつけて学校を休むようになった。なにも変わらないのはわかっていたはずなのに。