星子と別れてからもももことは仲良くしてて、別れた理由は言ってないけど、慰めてくれた。
中学生で初めてできた友達を失いたくなかった。

ももこはブラスバンド部で楽器を弾いて頑張っていた。
たしかピアノだったか、すごく上手かった。

ある日風の噂でこんな事を聞いた。
[やぎらぁって星子と付き合いよってわがまま言って振られたらしい。]

間違いはないんやろうけど、私と星子が付き合いよったのはももこしか知らない事だった。

信じたくなかったけど、またすぐに聞いた話では、
[やぎらぁって泣いて星子に別れたくないって言ったんだって。]

本当の事をゆうなら許した。
でも星子に泣いてすがりつくような事はしてない。

《ふざけんな。もしかして調子乗ってきたか?》
そう思った。
ももこには言われたくなかった。
信じていたのにやられた。

本人にいちよ聞いてみたら

『あぁ言った言った。いかんやった?』

いかんやったとかよかったとかいう問題じゃなかった。

『ってか泣いてないやん?』

その日を境に話もしなくなった。
許してやれなかった。