急いで涙を拭いて、

立ち上がる。



ピンポーン―



急かすように

またインターホンが響く。




『はいはいはい。』




ガチャ。




そこには、お隣さんの


慎吾が立っていた。




「なんだ、居るんじゃん。

いつもなら俺の部屋にいるからさあ、
あれ…佳乃…………?」






何も気にかけずにいつも通りに話す慎吾にイライラした。




『ちょっと待って。』


「え、佳乃?」



私は部屋の中へ戻り

さっき

あの可愛い高校生に渡された袋を手に取った。



再び
玄関を開けると

慎吾は困ったような

私の泣き顔に驚いたような表情をしていた。




「よし…」

『これ!』



慎吾に財布が入った袋を渡す。


中身をみて、慎吾はビックリしていた。



「どうして、これ…?」



.