――

『どう思う?』


自分の部屋に入り、冷房をつける。



買ってきたアイスはもう溶けかけていて、


その隣に置いた袋の中には慎吾の財布が入っている。



携帯を耳に当てながら
冷房のリモコンをもう一方の片手で持ったまま
部屋をうろちょろ。




「んー怪しいね〜、
考えたくないかもだけど部屋に行くなんてただの仕事仲間じゃないっしょ。」



電話から聞こえる杏の言葉に、わかっていながらもガックリする。



『てゆうか、杏いまどこ?
後ろ、騒がしくない?』


「あ、いまTSUTAYAでCD見てんの…あ!」



杏は何かを思いついたようだった。





『なに…?』



「…………佳乃〜…その泉美ちゃん?て子…最近売れっ子のトップモデルじゃん。」



え…!



「ほら、佳乃言ってたじゃん…慎吾くんがデート企画の彼氏役で出てる雑誌の……………」



『もしかして…彼女役?』


「うん、泉美って書いてるよ。てゆうか、可愛すぎっしょ!なにこの子!!」




杏はTSUTAYAの雑誌コーナーに移動して、
この前私がショックを受けたティーンズ誌を見ているらしい。




彼氏役をしてる慎吾に気を取られていたけど、


その隣にうつってるの

あの子だったんだ…






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