マンションに帰り
慎吾の部屋に入ると、まだ彼は帰ってなかった。
さっきまでのショックとモヤモヤを取っ払って
買ってきた旅行雑誌をめくる。
休みさえ取れれば
一泊でいいから行きたいなあ。
もうすぐ秋だし、
少し待って紅葉とかも素敵。
そうだ!
今日は久しぶりに慎吾の好きなオムライスでも作ろうかな。
早く…帰ってきて。
不安なんかぶっ飛ばしたい。
―――
「ただいま〜」
『あ、おかえり。今日は少し遅かったね。』
部屋に入るなり
慎吾は申し訳なさそうな顔をした。
「あ…まじでごめん。
今日飯食ってきたんだ。」
『…あ…そうな…の?』
「ほんとごめんな!」
『ううん、いいよ!』
きっと撮影の仕事関係の人たちと食べてきたんだ。
断れないときもあるよね。
テーブルには寂しそうにオムライスが待っていた
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